霞ヶ浦北浦には,上品で美しいワカサギやシラウオ,加熱すると鮮やかな橙色に変化するテナガエビ,見るからにパワーあふれるコイやアメリカナマズとバラエティに富んだ自慢の湖の幸が豊富です。次のとおりご紹介します。
生物写真提供:茨城県内水面水産試験場
霞ヶ浦北浦を代表する重要な魚種で,昔は帆びき網漁業や大徳網,現在では主にトロール漁業により漁獲されます。
産卵期は1〜2月で,水深1m前後の砂地に産卵します。 |
【ワカサギの移植】
もともとは海あるいは汽水に住む種類ですが,霞ヶ浦北浦では長い年月をかけて一生湖で生活する陸封種になりました。このワカサギが,1913年に人工採卵が行われて,全国の湖(27湖,河口湖,芦ノ湖など)に移植されたため,山の上の湖でもワカサギ釣りができるようになったのです。
【利用法】 |
ワカサギ甘露煮 |
多くは汽水湖や海の沿岸域にすんでいますが,霞ヶ浦北浦では一生を湖で過ごし,トロール,さし網漁業で漁獲されます。
産卵期は3〜4月で,水深1m前後の砂地に産卵します。
シラウオの体色は、生きているときは透明ですが、加熱すると白色になるとてもきれいな魚です。
【利用法】 |
シラウオの煮干し |
シラウオの卵とじ |
オスの一部は第2脚が体長の1〜1.8倍以上の長さになることから,「テナガ」という名前が付きました。 |
【利用法】
生きているときは灰色ですが、加熱すると美味しそうな鮮やかな橙色に変化します。
加工品では釜揚げ,佃煮,鬼がら焼きの原料にします。生エビの調理としてはから揚げやかき揚げ,天ぷら等の揚げ物にするととても美味しく,ソフトな釜揚げを使って揚げ物や煮物にすることもできて便利です。
テナガエビ釜上げ |
テナガエビのから揚げ |
霞ヶ浦北浦で獲れるハゼ類で多いものはヌマチチブですが,ほかのハゼ類と総称して「ゴロ」と呼ばれています。ほかにウキゴリ,アシシロハゼ,ジュズカケハゼ,ヨシノボリの4種がいます。
ゴロの特徴は胸びれが吸盤状になっていることで,湖岸の垂直面にくっついている様子が見られます。
産卵期は5〜8月で,岸辺の石や貝殻等の下に卵を産み付けてオスが卵を守ります。
【利用法】 |
ハゼ佃煮 |
大形魚として知られ霞ヶ浦北浦でも1mを越すものが時々獲られます。養殖用のコイは,野生型よりも体高が高く,成長が早い特徴があります。 |
【利用法】
あらい,甘煮,鯉こく,竜田揚げなど。
あらい |
うま煮 |
鯉こく |
鯉のから揚げ |
霞ヶ浦北浦のフナは、キンブナ、ギンブナ、ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)の3種類がいます。この中で多く獲れるのはマブナといわれるギンブナです。
ギンブナは、霞ヶ浦北浦を含む関
東地方にオスはいませんが、卵は他の魚(ヘラブナ等)の精子の刺激によって発生する何とも不思議な魚です。産卵期は3〜7月で、岸辺の水生植物などに産卵します。
キンブナは数が少なく,ヘラブナは元々は琵琶湖の魚であり,放流された移入種です。
【利用法】
甘露煮、すずめ焼き(小さいフナを開
いて串に刺して焼いたもの),煮付け,
あらいなど。
甘露煮 |
冬から春にかけて,シラスウナギと呼ばれる全長6cm前後の稚魚が群れをなして海から上ってきます。その後,湖や川で5〜12年を過ごし、秋に産卵のため海に下ります。産卵場は,日本から2,000km離れたマリアナ諸島周辺と言われています。
【利用法】 |
ウナギ蒲焼き丼 |
原産地は北アメリカで、日本には1971年(昭和46年)に養殖用に種苗を導入しました。産卵期は春〜初夏で、オスが卵と稚魚を守ります。
小魚、エビ等の小動物を餌とします。
日本のナマズと違い,口ひげは8本(ナマズは4本)で,尾びれが切れ込んでいます。
【利用法】 |
刺身 |
天ぷら |
蒲焼き |